住宅の台風対策はできていますか？被害を防ぐ基本や具体策も紹介
台風のたびに「自宅はこのままで大丈夫だろうか？」と心配になる方は多いのではないでしょうか。毎年のように被害が報道される中、自分でできる台風対策が気になるところです。この記事では、住宅の台風被害を防ぐための基本的な備えから、強風・飛来物対策、浸水防止策、そして台風当日の行動計画までを分かりやすく解説します。ご自宅の安全性を見直し、大切な住まいと家族を守るためのポイントを一緒に確認していきましょう。
住宅の台風被害を防ぐ基本の備え
台風による住宅被害は、暴風・豪雨・飛散物など複数の要因が重なって発生します。そのため、事前に住宅を点検し、安全性を高める備えが重要です。まずは窓まわり、屋根、外壁、雨どいといった特に被害を受けやすい箇所の確認から始めましょう。屋根材にひび割れ・ズレ・剥がれ・めくれがないかを点検し、外壁のサイディング材のズレやはがれも確認することが大切です。また、雨戸やシャッターにガタつきや緩みがないかを事前にチェックし、不備があれば補強を検討しましょう。さらに、雨樋や排水溝の詰まりがないか確認し、台風時の排水をスムーズにすることも忘れてはいけません（表もご参照ください）。これらの対策は、台風シーズンが到来する前の余裕がある時期に、定期的に行うことが効果的です。
| 点検箇所 | チェック内容 | 目的 |
|---|---|---|
| 屋根 | ひび割れ・ズレ・剥がれ・めくれ | 強風による飛散防止 |
| 窓・雨戸 | ガタつき・経年劣化の有無 | 飛散物からの保護強化 |
| 雨どい・排水溝 | 詰まりや固定部の緩み | 豪雨時の排水機能確保 |
点検結果に基づき、住宅所有者自身ができる備えとして、飛散防止フィルムの活用や段ボールでの窓補強、物品の固定や屋外物の収納が有効です。ベランダや庭にある植木鉢、物干し竿、自転車などは風で飛ばされる可能性があるため、室内に移動するかロープや重しで固定して安全を確保しましょう。こうした準備をシーズン前に計画的に進め、落ち着いた時点で家族とも話し合い、安全対策の共有を行うことで、いざという時に冷静に対応できる住まいへと備えることができます。
強風・飛来物への具体的対策方法
まず窓ガラスへの対策として、飛散防止フィルムや防犯フィルムの活用が有効です。飛散防止フィルムは厚さ0.1mm以上でJIS-A5759規格に適合したものを選ぶことで、強風によるガラス破片の飛散を抑制できます。また、防犯フィルムはさらに厚みがあり耐貫通性能も高いため、飛来物の貫通を防ぎ、より安心です。
屋根や外壁部材の補修・固定強化も重要です。台風で瓦が飛ぶケースでは、飛来物による衝撃で瓦がずれたり剥がれたりする可能性がありますので、専門の点検・補修を行って固定状態を再確認することが推奨されます。
また、周辺の飛来物対策として、物置や植木など住宅周辺にあるものを整理整頓し、飛散防止を図ることが短時間でできる対策です。ベランダや窓の近くにある植木鉢、物干し竿などを室内に取り込むことで、飛来による窓ガラスへの衝突リスクを軽減できます。
以下に、主な対策方法を分かりやすくまとめた表を掲載します。
| 対策項目 | 具体的内容 | 効果 |
|---|---|---|
| 窓ガラス強化 | 厚さ0.1mm以上・JIS-A5759適合の飛散防止フィルム、防犯フィルム | ガラス破片の飛散防止・飛来物による貫通防止 |
| 屋根・外壁補修 | 瓦や外壁部材の固定・補修の点検 | 強風時の部材飛散リスク低減 |
| 周辺整理整頓 | 物置・植木・物干し等の移動・片付け | 飛来物の衝突を未然に防止 |
これらの対策を講じることで、住宅への被害リスクを大幅に軽減できます。特に窓周りは被害の起点となりやすい部分ですので、ご自宅の安全を守る第一歩として強化対策をご検討ください。
浸水・水害に備えた住宅防護策
住宅を台風や豪雨による浸水から守るためには、複数の対策を組み合わせることが効果的です。ここでは、簡易的な止水バリアや排水整備、非常時の自主対応策について、実践的で分かりやすくご紹介します。
| 対策項目 | 内容 | ポイント |
|---|---|---|
| 簡易止水板の活用 | 入口や開口部に後付け可能な止水板を設置して雨水の流入を防ぎます。 | 軽量で工具不要、短時間で設置可能なタイプが便利です。 |
| 雨水流れの整理・排水溝整備 | 排水ますまわりや敷地の傾斜を整えて、排水能力を高めます。 | ご自身で定期的に清掃・見直しするのがおすすめです。 |
| 非常時用の排水装備 | 停電時にも使える排水ポンプや排水経路の事前確認を行います。 | 動作確認や電源の確保など日ごろから準備しておきましょう。 |
まず、簡易型の止水板は、工具を使わずに設置できる軽量タイプがあり、急な浸水にも迅速に対応できます。たとえば、Flood Guard Fのような製品はU字形状で水圧を分散し、少人数でも短時間で設置可能です。また、ALSOKの組み合わせ式止水板は、地面に置くだけで最大50cmの高さまで止水ができ、水圧で安定する設計です 。
さらに、住宅周辺の排水性を高めるためには、雨水ますの詰まり除去や、傾斜の確認が重要です。落ち葉やごみがたまりやすい排水ますは、日頃から掃除をしておくことで、排水機能を維持できます 。
そして、非常時に備えるための自主対応策として、電源が切れても使える排水ポンプや排水経路の流れを事前に確認しておくことも大切です。こうした準備により、浸水発生時にも落ち着いた対応が可能になります。
以上のように、簡易止水板による防水対策、排水設備の整備、そして非常時に備えた排水装備の確認を併せて行うことで、住宅の浸水リスクを低減できます。ぜひ、日ごろからの備えとしてご検討ください。
台風接近時の行動計画と緊急対応の流れ
台風が接近する際は、安全を確保するために「事前」「接近中」「通過後」の段階ごとに具体的な行動計画を立てておくことが重要です。まずは気象庁や自治体の情報を基に、最新の台風情報や警戒レベルの確認を習慣づけましょう（警戒レベル3では高齢者らが避難、レベル4では全員が行動を起こすなど、段階的な判断が必要です）。加えて、3日前から避難場所やルートを確認し、家族や近隣住民と連絡方法や集合場所をあらかじめ話し合っておくことも大切です。
次に、緊急時にも役立つ備品や非常用アイテムのチェック項目を以下の表にまとめました。
| アイテム | 目的 | 備考 |
|---|---|---|
| 懐中電灯・携帯ラジオ・予備電池 | 停電時の情報収集と明かり確保 | 電池式が安心です |
| 非常用持ち出しバッグ | 避難時に必要な物をまとめて携行 | 水・食料・携帯トイレ・現金などを準備 |
| 予備バッテリー・モバイル充電器 | 通信手段の確保のため | スマホ等の充電用に事前充電も忘れずに |
台風の通過後は安心せず、被害の二次的リスクにも注意が必要です。がれきの片付け中の事故や落下物によるケガ、屋根からの瓦落下などには慎重に対応してください。また、復旧時の通電火災への備えとして、家電のプラグを抜いておくことをお勧めします。さらに、罹災証明書や保険申請に備え、自宅や被害状況の写真を準備しておくのも有効です。
まとめ
住宅の台風対策は、事前の備えと日頃の点検が最も大切です。窓や屋根、外壁の確認はもちろん、浸水や飛来物への具体的な備えも欠かせません。いざという時の行動計画や非常用品の準備も、家族や住まいを守るうえで大きな差が生まれます。無理のない範囲でできる対策から始め、少しずつ防災力を高めていきましょう。不安や疑問があれば、いつでも気軽にご相談ください。
